filesaudit.com

2026/9/6

録音したWAVファイルの録音日時をメタデータから確認する方法

WAVファイルで録音日時を確認しようとしても、写真のEXIFのように直感的に日時が残っているケースは少なく、まずはファイルシステムの作成日時と音声データ自体に記録された情報が別物だと理解することが重要です。スマートフォンのボイスメモやICレコーダー、DAWでの録音では、OSのタイムスタンプは転送やコピー、リネームで簡単に変わってしまい、録音が行われた本当の日時を示さなくなります。だからこそ、ファイルそのものに埋め込まれた技術的メタデータを調べる必要があり、WAVはRIFFコンテナの仕様上、標準では録音日時の専用項目を持たないため、メーカーやアプリの実装次第で情報の有無が大きく変わります。特に証拠保全や取材記録、業務ログとして使う場合は、後から「いつ録られたか」を客観的に説明できる根拠を残しておくことが、そのまま信頼性になります。

WAVの基本構造はRIFFヘッダーに続くfmtチャンクとdataチャンクで構成され、音質情報と波形データのみが保証されているのが原則です。そのため純粋なWAVには録音日時を格納する標準フィールドは存在しません。代わりに多くのツールがINFOチャンクやLISTチャンク内にIANA規格準拠のタグを書き込みます。例えば IART アーティスト、ICMT コメント、IENG エンジニア、ISFT ソフトウェア名、IGNR 録音場所などが該当し、一部のアプリはここに日付文字列を手入力で入れることがあります。ただしこの情報は自由記述なのでフォーマットが統一されておらず、解析側が必ず読めるわけではありません。さらに実際の現場で役立つのは、Broadcast Wave Format と呼ばれる拡張WAV、BWFです。BWFはbextチャンクという独自チャンクを追加し、OriginatorReference、OriginationDate、OriginationTime、Description、CodingHistoryなどを規定しており、放送やフォレンジック分野ではこれが事実上の録音日時記録手段になっています。

BWFで記録されるOriginationDateはYYYY-MM-DD、OriginationTimeはHH:MM:SSという固定長で保存され、理論上は録音時のタイムコードを機械的に追跡できます。iXMLチャンクも同様にDAWやフィールドレコーダーが録音日時、機材情報、プロジェクト名をXML形式で埋め込むために使われます。例えば Zoom H6 や Sound Devices のレコーダーはBWF出力時にbeextチャンクに日時を書き込み、Adobe Audition や Reaper でも書き出し設定でBWFメタデータを付与できます。実際のファイル例として、2024年11月3日 14時22分に録音した音源をBWFで書き出すと、beext内のOriginationDateが2024-11-03、OriginationTimeが14:22:10のようになり、ファイル名とは独立して日時が残ります。ただしこの情報も編集ソフトで再保存すると上書きされる可能性があるため、編集前のオリジナルを保持することが前提になります。

手元の環境で確認する最も手軽な方法は ffprobe や MediaInfo などのコマンドラインツールを使うことです。ターミナルで ffprobe -show_format -show_streams ファイル.wav と実行すると、TAG欄にcommentやencoderの日付情報が表示されます。MediaInfoでは「全般」「オーディオ」「付加情報」のタブでBWFのbeext項目やiXMLの内容を人間が読める形で一覧できます。WindowsのプロパティやmacOSのプレビューでは一般的なWAVのメタデータは表示されず、専用ツールが必要になる点に注意が必要です。もしレコーダーがBWFに対応していない場合、メタデータは空欄のままになり、代わりにファイルのSHA-256ハッシュとファイルシステムのタイムスタンプの組み合わせでいつ取得したかを文書化するしかありません。このときハッシュ値はファイル内容の同一性を証明する技術的根拠になるので、録音日時のメタデータがない場合でも改ざんの有無を追跡できます。

実務で複数の音声ファイルを扱う場合、個別にツールを起動するより、ファイル全体のメタデータを一括で抽出し、ハッシュと合わせてレポート化できる仕組みが役立ちます。例えば ファイルのメタデータを抽出できるサービス を使うと、WAVをアップロードするだけでフォーマット解析、チャンク構造、beextやiXMLの有無、サンプリングレートやビット深度といった技術情報が一覧され、SHA-256やMD5、CRC32のフィンガープリントも同時に取得できます。生成されるPDFレポートには抽出時刻とハッシュ値が記録されるため、後から「いつ確認したか」という監査証跡も残ります。音声ファイルの取り扱いに慣れていない報道や法務担当者でも、視覚的にどのチャンクに日時が入っているかを把握しやすいのが利点です。単に日時を見るだけでなく、ファイルが同一かどうかをハッシュで比較できる点も、複数媒体に跨る検証では重要です。

注意すべきは、メタデータに記録された日時はあくまで記録アプリケーションが書き込んだ値であり、法的真実を自動的に証明するものではないという点です。レコーダーの内部時計がずれていればOriginationDateも誤りますし、編集ソフトで再エクスポートすればBWFチャンクが新規書き換えられ、元の録音日時が失われるケースもあります。ファイルシステムの作成日時や更新日時はOSや転送経路で変わるため、録音日時そのものの根拠にはなりません。したがって実務では、オリジナルWAVのハッシュ値を速やかに取得し、抽出時のレポートと一緒に保管する運用が推奨されます。さらに、メタデータが存在しない

Ready to see what's hidden in your own files? Upload a file to FilesAudit and get a free forensic metadata report in seconds — no registration required.